こんにちは。オハナのお世話係ももあき(@fureburu-ohana)です。
ペットをお迎えした飼い主さんは、ペット保険の加入を検討したことがあるのではないでしょうか。ネットで検索して、ランキングや保険金額を確認し比較しても、結局どれに加入すればよいのか分からないと言う飼い主さんは多いと思います。
現在、ペット保険を提供している会社は20社ほどあり、様々な保険商品が乱立しています。しかし、よく検討しないと後で後悔することは多々あります。
ペット保険の必要不要も含めて、ペット保険の加入や乗換えを考えておられる飼い主さんの参考になればと思います。
ペット保険の歴史
2006年4月までは、ペット保険は共済商品でした。共済とは互いに資本(資金)を出し合って、お互いに助け合うことです。当時はペット保険もその概念で、安い保険金額でした。
共済時代のペット保険は『アニコム』一強で、選択肢はほとんどありませんでしたが、保険料が格安だったので、検討する必要はほとんどありませんでした。
現在のペット保険
現在、ペット保険の会社は主に『損害保険会社』と『小額短期保険会社』に分かれます。
これは資本金や扱える保険金額、損害保険契約者保護機構の有無の違いですが、加入者は考える必要はありません。ペット保険の補償内容や保険金額も、損害保険と小額短期保険の概念では、比較しても差はありません。
ペット保険に加入する意味
ペット保険に加入するのは、2つの考え方からだと思います。
万が一の事態に備えるため
骨折したり、病気で手術をすることになった場合、普段の診察代とは桁違いの医療費がかかります。例えば骨折手術は20万円くらいかかります。万が一に備えるための『ペット保険』という考え方です。
万が一の事態だけを備えるならば、手術と手術に伴う入院のみを保障する保険があります。保険料は生涯に渡って割安です。
日常の病気で病院への行きやすさのため
ペットは生き物です。人間と同じで調子が悪くなる場合や当然病気にもなります。家族同然のペットですから、調子が悪ければ動物病院にかかると思います。
動物病院は全額自己負担ですから、医療費は割高です。その金額のリスクと、日常的に動物病院に行くことが負担にならないための『ペット保険』という考え方です。
ペット保険での重要項目
ペット保険を検討する上で、重要項目があります。
①保険の範囲
②免責金額
③保険期間中に発症した病気の免責
④先天性遺伝性に対する取り扱い
⑤保険の請求方法
この重要項目をおさえていれば、保険金額だけで比較しても十分です。しかし、この重要項目は保険金額に直結していますので、飼い主さんのニーズや将来のリスクを考えて選ぶ必要があります。
①保険の範囲

保険の範囲は『通院』『入院』『手術』のどれを保障するかです。
『通院』『入院』『手術』を保障
いわゆる普通のペット保険です。病気やケガにかかわる広い範囲を保障してくれます。
広い範囲で保障してくれますが、メリットと言うかこれが普通のペット保険です。保障範囲が広いので、保険料が高いです。
『手術』『入院』を保障
手術の費用と、それに伴う入院の費用を保障してくれます。
保険料は割安で、高年齢ではその差は2倍以上になります。手術に伴う通院は保険の対象外なので、保険が使える範囲は狭いです。
②免責金額

免責金額は支払った医療費のうち、この金額以下は保険金を払いませんと言う金額です。
免責金額なし
医療費の支払い額が保険金の対象になります。
4,000円の医療費が全て保険対象の場合では
・70%保障…4,000円×70%=2,800円
・50%保障…4,000円×50%=2,000円
となります。
免責金額あり
医療費の支払い額のうち、規定の金額を控除した後の金額が保険金の対象になります。
4,000円の医療費が全て保険対象で免責金額が3,000円の場合では
・70%保障…(4,000円-3,000円)×70%=700円
・50%保障…(4,000円-3,000円)×50%=500円
となります。
③保険期間中に発症した病気の免責
保険期間中に病気になった場合、次年度もその病気が保険の対象になるかどうかです。
原則は免責にならない
ほとんどの保険会社で免責にはなりません。もし一律で免責になったらペット保険自体の意味が無くなるからです。但し、病気の種類により免責になったり、同じ病気で多回数に渡って保険を使用した場合、免責になる場合があります。
④先天性遺伝性疾病に対する取り扱い

先天性疾病に対する取り扱いも重要です。
保険加入前に発見されていない先天性遺伝性疾病は免責しない
先天性遺伝性疾病を特別扱いせず、通常の病気と考えます。先天性遺伝性の病気であっても、それを理由に免責はさせません。
一律免責となる
先天性遺伝性疾病は全て免責になります。人間の保険と違い、具体的な病名で免責とはせず、包括的に免責としている場合がほとんどです。一律免責の場合は、それに伴う病状でも保険金は一切支払いさせません。
⑤保険金の請求方法
保険証を提示して請求してもらう方法と、直接保険会社に請求する方法があります。
動物病院に請求してもらう方法
保険証などを提示して動物病院に請求してもらう方法は大変利便性が高いです。人間が病院にかかる場合とほぼ同じです。その場で契約の割合分だけ支払えば済みます。但し、全国全ての動物病院が対象ではありません。また保険会社も限られます。
直接保険会社に請求する方法
動物病院で領収書や診療明細をもらい、直接保険会社に請求する方法です。この方式の保険会社がほとんどです。請求方法はインターネットや電話など様々ですが、領収書などの原本を郵送する必要があります。保険金の支払いも日数がかかります。
ペット保険と貯金

ペット保険に加入せず、その保険料を貯金して備えると言う考え方があります。
実はこれは間違っていません。ペットも若いうちは病気にかかることは少なく、年を重ねるにつれて病気にかかりやすくなります。当然ですが、ペット保険はペットが病気にならなければ使えません。
生涯の保険料
ここで生涯に支払う保険料が、およそいくらになるかを考えてみます。
0歳から15歳まで小型犬の場合
保険会社A およそ540,000円
保険会社B およそ820,000円
保険会社C およそ850,000円
保険会社で金額の差はありますが、合計するとかなりの高額になるのが分かります。
ペット貯金という考え方
生涯支払う保険料は、案外高額なのが分かります。
したがって、このお金を『貯めておく』事もひとつの手段になり得ます。病気知らずの元気なペットも少なからずはいます。また、若いうちは元気な場合が多いですから、保険料の掛け捨て状態は続きます。
さいごに
ペット保険は様々な保険会社が、様々な商品を展開しています。
初めてペット保険に加入を検討している飼い主さんは、どれが最適なのかは分かりづらいのが現状だと思います。また、インターネットでは『ペット保険』などのキーワード検索すると、ランキングサイトや口コミサイトが溢れています。
恐縮ではありますが、私の体験を通じて飼い主さんに合ったペット保険選びの参考にして頂ければ幸いです。